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執筆者の写真Mariko うめだま

Twitterに投稿した結婚に伴う旧姓併記と別姓希望のまんがについて

更新日:2022年10月20日




先日、Twitterに

というまんがをアップロードしました。



結婚から1年に渡る日米での体験を、

大方の改姓手続きと出産が終わったのを機にまとめたものです。




沢山のいいねやリツイート、反響をいただく一方、

憶測に伴うデマ疑惑や、準備不足が招いた自業自得では?というご批判も受けました。


都度別ツイートなどで補足で説明させて頂いたのですが、

内容も多く多岐にわたるため、ブログでまとめることにしました。


ハフポスト日本版にも記事とインタビューが載っています。



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まず第一に、私は別姓婚希望です。


そして私たちのケースでは日本で結婚しないと一緒にビザをとり海外渡航することができず、日本の事実婚では、こどもの親権を両方が持つことができません。

夫婦が一緒にいるためには結婚は絶対必要でした。ですが、日本では別姓が選べないためどちらかが折れて改姓をしないといけない状況があり、私がその負担を負うことになりました。



なので「別姓だったら発生しなかった時間の消費、費用、精神的な疲労」のうえに

「キャリアの分断を避けるため旧姓併記をした日本の身分証が原因でさらにトラブルにあった」ことを一緒に描いています。



また、「改姓」を除けば手続きは夫と全く同一のことをやりました


なかなか夫婦で同じタイミングに同じ手続きをやるケースは珍しいと思うので

「改姓しない側(夫)が受理されるスピード」

「改姓側(私)が受理されるスピードとトラブル」を単純に比較するために書いています。



前半の日本部分は「旧姓併記」の身分申請。

後半のアメリカ部分は

SSNに関しては「新姓への改姓手続」

アメリカの運転免許は「新姓のみの表記の新規申請」です。


なので、日本の身分証は「新姓+対応する身分証はなるべく()で旧姓併記」

アメリカの身分証は領事館に言われたので無用のトラブルを避けるため「新姓の身分証」に統一しています。


まんがは1年以上の時間を短くまとめているので、連続した不受理に、準備不足ととられるかもしれません。


しかし実際は、結婚から渡航まで2ヶ月以上の時間があり、全ての必要な手続きを調べ、かかる時間を逆算してバッファを取った上で行っています。





ここで書いてある以外の手続きも沢山行いましたが、省いています。また、アメリカの手続きも、コロナの煽りを受けて貴重な予約枠だったので、予約日がくるまでの数ヶ月、できるだけの準備と下調べをして行っています。


また、私が行ったことは特殊か、または複雑に感じるかもしれませんが、


・結婚前に仕事

・結婚しても旧姓で仕事続ける

・国内の身分証明の為に日本の身分証に旧姓併記

・会社から海外赴任の辞令をうけたor海外就職


という日本国籍しか持っていない人には誰にでも起こりうる事なので、

全然レアケースではありません。


日本人同士では別姓が叶わず、日本での職歴も長いため、キャリアを守るために

政府が推し進めている「旧姓併記」を日本の身分証で行いました。

さらに現地の領事館にメールを送り旧姓が現地の身分登録では使えないことを事前に確認。

それに従い、現地の身分証はやむをえず新姓に書き換えた形です。


よって、日本のルールやアメリカのルールを逸脱した行為をしたわけでもなく、無理を押し通したわけでもありません。

さらに人生2回目の渡米&生活セットアップで起こったことなので、根本的な準備不足であるというご批判は的を得ていないように思います。


ちなみに、現地でも引き続き本来の名前で活動しますが、ビジネスネームとしてしか使えないので毎度説明が必要でつらいです。契約書は新姓でサインしなければいけませんし、つねに不安定な名前運用が続いています。

この不便が一生つきまとい、正直悲しいです。キャリアの一貫性を保ちたいのは自然のことと思います。これらのことも、別姓が選択できれば起こらないことでした。


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アメリカの社会保障カードSSNは戸籍の翻訳や結婚証明が必要で、持参して(コロナでメチャクチャ時間かかりましたが)一発受理されました。


米国の運転免許申請は、最初に身分証明をチェックする担当官がおりパスした後、その後各国の運転免許の扱いの内部マニュアルを見ながらチェックされた時、旧姓併記の日本の免許証が受理されず最後の最後で弾かれました。


全く同条件で新規運転免許申請を行った夫は、日本の免許を提示する事で実技試験免除の特典を受けることができました。


SSNの表記が違うと弾かれたくだりについても、改姓に伴う書類は持って行ってますし、最初の身分証明担当官ではパスしてます。こちらも最後の最後で却下。最初の身分証を確認する時に弾かれていなかったということは、マニュアルや事例をいくら調べても難しかったと思います。




また、アメリカの手続きは日本よりラフであったり、不法移民などが多いため外国籍の人に対する対応が厳しい場合があります。なので、普通の手続きであっても「アピールをしないと何も進まない」文化であることを踏まえ、まんがの中でもあえて「身重」などのアピールをしています。


それで結構覆ることもあったりするのがアメリカ‥。


もし同じことを日本の窓口でやったら「自分の事ばっかり主張するクレーマー」になってしまうので、同じことは絶対しません。


審査官の裁量で覆ったり、却下されたりする窓口では、なるべく確実なものを用意したいのは当然のこと。旧姓併記という、海外では馴れない書き方をした不安定な身分証をみせる不安とリスクをお伝えすべく、描きました。


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また、普段私のマンガでは、出会った人のことをネガティブに表現するのはかなり稀です。





この漫画の中に登場した日本の運転免許書のくだりの担当の方は、受付の最初から最後までずっと、腫れ物をさわるような対応でした。


「旧姓併記」という表記まで辿り着くために準備するもののわかりにくさや煩雑さに、何回も窓口応対し説明するのがウンザリ‥といった風情で、特に、最後「新姓ならできますけど?」と言われた時は、明らかに悪意がこもっていました。


また、役所に婚姻届を提出した流れで、「旧姓は抹消」とシステム説明を内側でされショックを受けたくだりについて、実際に窓口業務に携わっている方から、「抹消という言葉は旧姓の印鑑証明の抹消に使うが他では使わない」または「使用しないのでは?」というご指摘を受けました。画面は見えず、私への説明ではなくカウンターの向こう側のことでしたので確実に抹消であったかは言い切れません。「消去」や「削除」だった可能性はあるかもしれません。


ただ、婚姻届を提出する前に私の元の謄本に記載された姉の欄の結婚に伴う「除籍」表記をみてしみじみした覚えがあるため、除籍や訂正レベルの言葉では無かったことは確かです。


結婚という幸せな手続きの日に、悲しい感情を生む扱いや言葉を聞いた残念さを感じていただくために、あえて表現しました。


同じく、免許書を弾いたアメリカの担当官も、疑ってかかるバイアスが態度にみてとれため、少しネガティブな表情に表現しています。


この件は、個々の受付の人が悪いのではなく、何度も役所を平日に往復しなければいけない、わかりにくいシステムの煩雑さや、海外では理解しにくい表記が原因でそうなってしまっていることが問題だと思っています。


アメリカでは()をシステムでは表示できず  -ハイフン や *アスタリスク しかシステム上に存在しないのも混乱の一因だと思います。

また、アメリカでうける外国人に対する厳しい応対の文化がそうさせていると感じています。


特に、日本の旧姓併記は、「旧姓併記をすれば経済活動に問題ない」と拡大を推し進めているにもかかわらず、平日に何日も有給を消費させ役所を往復させたり、住民票や戸籍発行手数料を負担させる仕組みの問題を「お役所仕事」として表現しました。


残念ながら、改姓手続きと悲しい応対がいっぺんに来てしまったのは事実のため、まんがで追体験をしていただく意図を込め、ネガティブな感情を呼ぶことを覚悟で、そのように表現しています。


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加えて、夫が何故改姓しなかったのかの疑問や、ネガティブな印象を持たれる方もいらっしゃる様ですが、プライバシーを守るため詳細を書いてないだけです。


一つ言えるのは、もし夫側が改姓したとしても私と同等かそれ以上の手続などが必要な立場です。


彼は、ストレスフルな行政手続もずっと付き合ってくれて、でなければ途中で折れてたと思います。

物凄く封建的な人であれば、私がまんがにする前に止めたと思います。


事前に夫に確認し、ある程度の批判はくるかもしれない予測はしておりましたが、手続の煩雑さや辛さを横で見ていてくれたからこそ、公開を了承してくれました。理解と協力があるから、皆さまにまんがを読んでもらえたのです。


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国内外で同じような状況に遭われている方が沢山いることを知ることができ、まんがを通じて声を聞くことができたのはとても嬉しいことでした。


また、今まで結婚や改姓に縁がなかった方からも、制度の不備や一方にかかる負担がわかりやすかったとおっしゃっていただくことができ、描いてよかったなと思っています。


長い補足説明となってしまいましたが、お読みいただきまして、ありがとうございました。







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